介護保険の引越し手続き|要介護認定の引継ぎと住所地特例

公開:2026年7月31日/更新:2026年7月31日

執筆・確認:スムーブ運営

参照資料確認日:2026年7月31日

先に要点

  • 要介護・要支援認定を受けて市区町村をまたぐ場合は、転入先で認定を引き継ぐ申請を資格取得から14日以内に行います。
  • 同じ市区町村内の転居、市外転居、住所地特例の対象施設への入所では、介護保険の保険者と届出先が異なります。
  • 利用中のサービスを止めないため、引越し日が決まったら現在のケアマネジャーへ先に相談します。
手続き早見表を見る(4項目)
引越し前
認定状況と保険者を確認
被保険者証等、認定区分、有効期間、現在の自治体
日程が決まったら
ケアマネジャーへ相談
新住所、必要なサービス、事業所の対応地域
市外へ転入後
認定引継ぎを申請
資格取得から14日以内、新住所地の介護保険窓口
施設へ入る場合
住所地特例を確認
対象施設、保険者、旧自治体への届出
目次を開く(7項目)
介護保険の引越し手続き|要介護認定の引継ぎと住所地特例のアイキャッチ

介護保険を利用している人の引越しでは、「住民票を移せば介護保険も自動で切り替わる」と考えると、認定の引継ぎやサービス調整が遅れることがあります。

最初に行うことは、現在の要介護・要支援認定と保険者を確認し、引越し日が決まった時点でケアマネジャーへ相談することです。認定を受けた人が市区町村をまたいで引越す場合は、新住所地で介護保険の資格を取得した日から14日以内に認定引継ぎを申請します。

この記事では、同じ市区町村内の転居、市外転居、介護施設への入所を分けて、窓口手続きとサービス継続の確認順を整理します。必要書類や受付方法、利用できる事業所は自治体・施設・契約先で異なるため、最終的には新旧自治体と担当者の案内を確認してください。

引越し前に認定と保険者を確認する

結論は、被保険者証等を手元に置き、「現在の認定」「現在の保険者」「利用中のサービス」の3点を先に書き出すことです。

引越し前に次を確認します。

  1. 要介護・要支援認定の有無、区分、有効期間
  2. 介護保険被保険者証、負担割合証、負担限度額認定証など手元の書類
  3. 現在の介護保険の保険者である市区町村
  4. 担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、利用中の事業所
  5. 引越し先が自宅か、介護保険施設・有料老人ホーム等か

65歳以上の第1号被保険者だけでなく、40〜64歳で特定疾病により認定を受けている第2号被保険者も、転居に伴う扱いを自治体へ確認します。自治体によっては健康保険の資格が分かるものの提示を求めるため、窓口へ行く前に持ち物を確認してください。

同じ市区町村内と市外転居を分ける

結論は、住所だけが変わる転居と、介護保険の保険者が変わる可能性がある市外転居を同じ手続きとして扱わないことです。

引越し先 保険者の考え方 最初に確認すること
同じ市区町村内の自宅 通常は同じ市区町村のまま 住所変更と被保険者証等の扱い
別の市区町村の自宅 通常は新住所地の市区町村へ変更 認定引継ぎ、資格取得、必要書類
別の市区町村の対象施設 住所地特例で旧市区町村のままの場合がある 施設の対象可否、保険者、届出先

同じ市区町村内では、転居届とあわせて介護保険の住所変更を確認します。別の市区町村へ移る場合は、転出届転入届に加え、介護保険窓口で資格と認定の引継ぎを確認します。

住民異動の手続きと介護保険の認定引継ぎは、同じ窓口や同じ申請とは限りません。住民票の届出を終えた後も、介護保険側の受付が完了したかを確認してください。

要介護認定を14日以内に引き継ぐ

結論は、要介護・要支援認定を受けた人が市区町村をまたいで引越すときは、新住所地で介護保険の資格を取得した日から14日以内に認定引継ぎを申請することです。

介護保険法第36条は、旧住所地で認定を受けていた人が新住所地の被保険者となり、資格取得から14日以内に申請した場合、新しい市区町村が審査会の審査・判定を経ずに従前の認定に基づいて認定できる仕組みを定めています。自治体の案内に従い、次の順で確認します。

  1. 転出前に旧住所地の介護保険窓口へ、認定を受けていることと転出日を伝える
  2. 被保険者証等の返却方法と、介護保険受給資格証明書の交付・持参要否を確認する
  3. 引越し後に新住所地で転入届を行う
  4. 資格取得から14日以内に、新住所地の介護保険窓口で認定引継ぎを申請する
  5. 新しい被保険者証等、認定の有効期間、サービス利用開始日を確認する

持ち物は自治体によって異なります。旧住所地で交付された書類、本人確認書類、マイナンバーを確認できるもの、40〜64歳の人は健康保険の資格が分かるものなど、転入先が指定する書類を準備してください。

14日を過ぎた場合も、認定が当然に引き継がれるとは考えず、転入先の介護保険担当窓口へすぐに相談します。必要な申請や認定調査、サービス利用への影響を個別に確認してください。

介護サービスとケアマネジャーを調整する

結論は、法定手続きとは別に、引越し日が決まったら現在のケアマネジャーへ連絡し、新住所での支援体制を組み直すことです。

訪問介護、通所介護、福祉用具などは、事業所の通常のサービス提供地域や空き状況により、引越し後も同じ事業所を利用できるとは限りません。地域密着型サービスは、市区町村をまたぐ利用に条件がある場合があります。

相談時は次を共有します。

  • 引越し予定日と新住所の市区町村
  • 引越し前後に必要な介助、通院、福祉用具
  • 利用中のサービスと希望する継続日
  • 新居の段差、エレベーター、搬入条件
  • 家族の連絡先と引越し当日の支援者

新しい事業所を探す場合は、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで地域とサービス種別を確認できます。担当者がまだ決まっていない場合は、新住所地の介護保険窓口や地域包括支援センターへ相談します。

サービス調整に全国一律の「引越し何日前まで」という期限はありません。空き状況や引継ぎに時間がかかるため、日程が決まった時点で早めに相談してください。

施設入居では住所地特例を確認する

結論は、介護保険施設や一定の有料老人ホーム等へ市区町村をまたいで移るときは、住所地特例により旧住所地の市区町村が保険者のままになる可能性を確認することです。

介護保険法第13条は、対象施設へ入所・入居して住所を移した場合に、施設所在地へ介護保険の財政負担が集中しないよう、以前の市区町村が引き続き保険者となる住所地特例を定めています。

対象となり得るのは、介護保険施設、特定施設、有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅などです。ただし、施設の類型や届出状況で扱いが異なります。契約前に次を確認してください。

  1. 施設が住所地特例の対象か
  2. 入居後の介護保険の保険者はどの市区町村か
  3. 転出元自治体へ住所地特例対象者の届出が必要か
  4. 被保険者証等の返却・再交付はどの自治体が担当するか

介護保険法施行規則では、住所地特例の対象となった場合などの届出を14日以内に行う規定があります。施設所在地の自治体へ通常の転入手続きをするだけで介護保険側も完了したと判断せず、施設と転出元自治体の両方へ確認してください。

関連する手続きとガイド

結論は、住民異動、介護保険、カード住所変更、サービス調整を一つの来庁日だけで完結すると考えず、担当窓口ごとに確認することです。

世帯、車、賃貸など介護保険以外の条件も含めて整理する場合は、チェックリスト生成フォームで期限順のリストを作れます。

よくある質問

Q. 同じ市区町村内の引越しでも介護保険の手続きは必要ですか?

同じ市区町村内では介護保険の保険者は通常変わりませんが、住所変更と被保険者証等の扱いは自治体で確認します。住民異動と同時に案内される場合でも、介護保険窓口の手続きが完了したか確認してください。

Q. 認定引継ぎの14日を過ぎたらどうなりますか?

14日を過ぎた場合も自己判断で手続きを省略せず、転入先の介護保険担当窓口へすぐに相談してください。旧住所地の認定をそのまま引き継ぐ扱いができるか、必要な申請や認定調査を含めて個別に確認します。

Q. 介護保険受給資格証明書は必ず必要ですか?

介護保険受給資格証明書の交付・持参要否は自治体の案内で確認します。自治体が情報を確認できる場合など扱いが異なるため、旧住所地で交付された場合は保管し、新住所地の窓口へ提示してください。

Q. 介護施設へ引越すと保険者は新住所の自治体になりますか?

対象施設への入所・入居では、住民票を施設所在地へ移しても以前の市区町村が引き続き介護保険の保険者となる住所地特例があります。対象施設か、どの自治体へ届けるかを施設と転出元自治体へ確認してください。

今回確認した内容

市区町村をまたいで転居する認定者が、資格取得から14日以内に申請すると従前の認定を引き継げる介護保険法第36条の要件/住所地特例の対象者と保険者を定める介護保険法第13条/住所地特例対象者の届出を14日以内とする介護保険法施行規則/自治体が案内する転入・転出時の介護保険手続きと必要書類の例/介護サービス情報公表システムと地域包括支援センターの役割

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